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『なぜ、それを好きになるのか? 脳をその気にさせる錯覚の心理学』竹内龍人

【概要】
京大出身で日本女子大の心理学教授を務める著者による心理学・脳科学ガイド。

最新の研究成果を援用して「なんとなく好きになる」仕組みに迫ります。


まえがきから
本書では、実験心理学という学問の導きを得て、この「少し愛する」「なんとなく好きになる」秘密に迫ります。しかし、それはやさしい作業ではありません。なぜなら、好きになることは、そのほとんどが私たちの意識が及ばばい領域、つまり無意識のプロセス起こってしまうからです。



Osprey - Shrimp Party at Waterfront Home / roger4336



【ポイント】

◆1、脳の処理の仕組み
人間は、自分の脳が処理しやすいものを好む。

繰り返し見ていれば、それだけでなんとなく好きになる。

私たちは平均顔のみならず、平均時計や平均イヌ、平均トリにまで魅力を感じるようなのです。…私たちは「平均○○」をもれなく好むと考えるほうが妥当です。平均的なものは脳が処理しやすいから―という「処理の流暢性誤帰属」仮説がここで成り立つのです。



◆2、作り笑顔も本物に

ですから、目に注目しているとニセの笑顔は見破ることができます。しかし、特に口を大きく開けて笑う人、つまり大きな笑顔を見せる人の顔を見ると、どうしても、そのよく動いている口のほうに注意がいってしまいます。そうなると、作り笑顔を見極めることは困難です。

著者が米国の大学院入学のためのコミュ力テスト突破のために編み出した方法
1、作り笑顔を見破るのは困難なので、ふつうの笑顔だと捉えられた。
2、作り笑顔をしていると、自分の気分がポジティブになり、それは本物の笑顔になる。
3、自分の笑顔とポジティブマインドは相手に伝染し、相手は自分を好ましく思うようになる。



◆3、心理学的に正しい夫婦問題へのアプローチ

夫婦が抱えている7割近くの問題は解決が不可能であり、それはコミュニケーションを増やしても改善へは向かわない、というのがゴッドマンの分析です。解決が不可能な場合は妥協しなければなりません。妥協する場合は、友情に基づいて、相手のことを考えつつ落としどころを探って行くしかない、というのです。

なんとなく好きにさせるポイント
1.「欲しい」と「好き」とは脳内では別のこと。
2.「欲しい」から「好き」へ移行させれば関係が長続きする。
3.夫婦関係改善には、コミュニケーションを増やしてもダメ。友情に基づく「なんとなく好き」と思う気持ちが重要。



【感想】
新書ということもあり、ややこしいことは省いて理路整然と語られています。

3でとりあげた夫婦問題とコミュニケーションの話なんかは実用性も高そう。ただただ「コミュニケーションを増やせ」なんてのは結局のところ根性論で消耗するばかりなのだと思います。

最近の研究成果ということでは、「人間は、自分の脳が処理しやすいものを好む」という点が推されています。この原則があるから「単純接触効果」も成り立つし、勉強の習慣化、平均顔への好みも説明されるとのことです。

強引な感じもしますが、普段の生活で使う分には充分な内容です。



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『教養としてのプログラミング講座』清水亮

【概要】

6歳でコンピュータに目覚め、立ち上げ期のドワンゴ社でゲーム開発者として活躍した著者がプログラミングを平易に語ったもの。

前半ではプログラミング的なものの見方、後半では自ら開発した「6歳の子供でも扱える」簡易プログラミング言語ムーンブロックの解説となっています。


◆Amazonより
もの言わぬ機械とコミュニケーションする手段「プログラミング」。
コンピュータが隆盛を極めた今、もはやそれは身につけるべき教養だ。
この本は、一冊で優れたプログラマーの思考を習得することを目指す。
ジョブズやゲイツ、現代の成功者はどんな世界を見ているのか?




Programmer's Code / MLibrary




◆1 あれもプログラミング

著者の世界観が光ります。

プログラミングとは、一言でいえば「自分以外のものを、思い通りに動かす方法」のこと。適切にプログラミングしたものは、たとえば作者が消滅したとしても、作者の意図を反映し、プログラミングしたとおりに動くことになります。これが企画であれば、企画者の意図通りにユーザーの気持ちを動かそうとするのも「プログラミング」であり、組織であれば、組織全体をリーダーの意図通りに動かそうとするのも「プログラミング」であるといえます。


かつてこういう技能は「経営能力」だとか「仕組みを作る力」だとか、色々な名前をつけて呼ばれていました。しかし、私にとって明確にこれはプログラミング能力、つまり、自分のいないところで、「自分以外のものを思い通りに動かす方法」として身に付いているものなのです。



◆2 コミュニケーションの原型

プログラミングの視点から、コミュニケーションを問い直します。

そして、プログラミングした対象が期待通りの動きをしなければ、それは全て命令を下したプログラマーの責任。あなたがもしプロのプログラマーだったなら、誰かにお使いを頼み、意図したものと違ったものを買ってこられても、そこは黙って「指示を漏らした自分にこそ責任がある」と、自戒しなければなりませんよ。


プログラマーの間で流通している格言に「プログラムは思ったとおりに動かない」というものがあります。ただしこの格言はこれだけで終わらず、後ろにはこう続きます。「書いた通りに動くのだ」




【感想】

趣味がプログラミング、なんて聞くといかにもオタクでコミュ障で、みたいな印象ですが、著者の世界観を通じてみればそんなことはなさそうです。

あれもこれもプログラミングで、むしろ世渡りに必須の能力であるようにさえ思えてきます。

全ては伝える側の責任という指摘。

「察すること」を拒むコンピュータプログラミングは、コミュニケーションの原点を示しているようにも思えます。





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『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』ひろゆき(西村博之)

少し古い2007年当時の本ですが、管理人ひろゆき独自の合理的な世界観が全編ににじんでおります。


2ch MONA. / MIKI Yoshihito (´・ω・)


◆概要
著者独自の突き詰めたものの見方が素晴らしく、常識以前のレベルで突っ込みを入れています。

このほか、後半はIT関係者との対談が掲載されており、中でも小飼弾との対話が圧巻です。


◆1 市場と仕組み(アーキテクチャ)
スタンフォード大 ローレンス・レッシグの発言
「世の中で人間が行動を決める要因は、道徳と法律と市場とアーキテクチャの4つである」
タバコを止めさせるための方法でたとえるなら、
道徳→タバコを吸うのはやめましょう
法律→禁煙法などを作りタバコを吸った人を処罰する
市場→タバコの価格を1本2000円と高騰させ買う人を減らす
アーキテクチャ→2本吸うと気持ち悪くなる薬をタバコに注入してしまう


◆2 メタ的なもの
ソフトウェアの考え方は、ハードウェアの考え方に縛られている。それは人間に関しても同じで、手が2本、指が5本というハードウェアの制約に我々の考えは縛られている。手が2本で足りないからもう2本追加しようとはならない。なまじ汎用のハードウェアを持ち、慣れてしまうと、問題点はソフトウェアで解決するとしか考えなくなる。ハードウェアの仕様を変えて解決しようとは思わない。


◆こんな対談がなされています。

小飼
僕は、今後世の中で一番大事な仕事は、暇つぶしをさせることだと考えているんですよ。もし、将来暇つぶしをメインの産業にできなかったら、代わりに何が来ると思いますか?

西村
うーん…。自殺産業ですかね?

小飼
そこまで、穏やかじゃないかな。

西村
自殺が穏やかじゃないというと…。

小飼
戦争ですよ。もし、人類の平和を願うのであれば、どうやって人の欲を捨てさせるかということになる。これは絶対に外さないと僕は思う。





キンドル版



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中村仁一『大往生したけりゃ医療とかかわるな』

老人ホーム付きの医師として12年の勤務経験を持つ著者が死生観を語ったもの。
医者業界では国立病院>民間大手>民間中小>開業医>福祉系という序列があるそうで、このうち福祉系の医師でかつ高齢の自分にはもう失うものはないと宣言し、偽悪的な語り口で信念を伝えます。


Check-up / Army Medicine


◆目次から
豊富な臨床経験から、「熱や咳は”結果”であり”原因”ではない(ゆえに解熱剤を飲んで力ずくでねじ伏せても何の解決にもならない)」などの見解を語ります。
・解熱剤で熱を下げると、治りは遅れる
・鼻汁や咳を薬で抑えるのは誤り
・食べないから死ぬのではない、死に時が来たから食べないのだ
・死ぬのはがんに限る
・がんで死ぬんじゃないよ、がんの治療で死ぬんだよ
・生き物は繁殖を終えれば死ぬ



◆1 医師として
著者の思想の根っこが語られます。
○私の好きな学説に、「治療の根本は、自然治癒力を助長し、強化することにある」という「治療の四原則」があります。
1、自然治癒の過程を妨げぬこと
2、自然治癒を妨げているものを除くこと
3、自然治癒力が衰えている時は、それを賦活すること
4、自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること


◆2 老人と医療
老人ホーム付き医師として多くの事例を見てきた著者、やがてこのような考えに至ります。
○本来、年寄りは、どこか具合の悪いのが正常なのです。不具合のほとんどは老化がらみですから、医者にかかって薬を飲んだところで、すっかりよくなるわけはありません。昔の年寄りのように、年をとればこんなものと諦めることが必要なのです。


○あまり医療に依存しすぎず、老いには寄り添い、病には連れ添う、これが年寄りの楽に生きる王道だと思います。
年寄りの最後の大事な役割は、できるだけ自然に「死んでみせる」ことです。


○繁殖を終えるまで生かしてもらったのですから、もう充分ではないですか。人生の幕引きを思い通りにでかるかもしれない「がん死」は最高だと思います。


◆3 死を考える
医師としての仕事を通じて死生観を練り上げた著者は、自らの死にこのように向き合います。
○私の事前指示
「医療死」より「自然死」が好みのため、意識不明や正常な判断力が失われた場合、左記を希望する。
・できる限り救急車は呼ばないこと
・脳の実質に損傷ありと予想される場合、開頭手術は辞退すること
・原因のいかんを問わず、一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと
・人工透析はしないこと
・経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、抹消静脈輸液は行わないこと
・不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外して差し支えないこと



◆感想
結婚を期に保険を見直したときに、「昔はみんな死んでたんだから無理に抵抗しない」、「費用対効果の見えないがんの新治療はやらない、保険もかけない」と考えたのを思い出しました。
老人ばかりでなく、自らの生について考え直すきっかけになるかと思います。




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ハーバート・フロイデンバーガー『燃え尽きない10の方法』

疲れやすくなった、他人と話したくない、何が自分にとっての喜びかわからなくなった、という症状の出る"燃え尽き症候群"について、その原因と対処法を述べたものです。「燃え尽き症候群」の提唱者による81年の著書の新訳。


Hard Work / Mad Wraith


全体的には辻褄の合った仮説という雰囲気。
原著から30年を経たいま、発展著しい生理学・脳科学・心理学などの知識とからめると得るところは多いように思います。

燃え尽きのメカニズムがわかりやすく説かれています。

1.負のスパイラル
簡単にいうと、疲れる→ヒマ→目標に再挑戦→うまくいかない→気晴らしにのめり込む。という現象があるようです。

感情が麻痺した人は、自分で自分を奮い立たせる活力を喪失する。しかし、呆然と暮らすことはなかなか堪え難いことなので、一度は不道徳だと思ったことでも、気を引き立てるのに役立つならやってみようか、ということになる。まず手を付けるのは、初めに彼らの失意を招いた目標に再挑戦することである。


努力しても予期した結果が得られないとしたら、次はなにか。アルコール、麻薬の服用、不倫のセックスへの耽溺、ギャンブル狂い。生きていることを自ら証明するため、老人も若者たちものめり込んでいく。…しかし得られるものはほんとうの充実感ではなくて、刺激の連続である。



2.カンペキ主義

燃え尽き症候群はマジメな人ほどかかりやすいといわれますが、その主な原因はカンペキ主義、燃え上がる理想のために自分自身へ過労を強いることだそう。

他人を批判する態度も親近感を疎外する因子である。人に対して、その人柄以上のものを求めたり、頭脳明晰、まじめさ、高潔など、なんでも「もっと、もっとと高い水準を要求すると、付き合いがうまくいかなくなる。




おつかれ気味の人、立ち直りかけの人にオススメです。

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