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中村仁一『大往生したけりゃ医療とかかわるな』

老人ホーム付きの医師として12年の勤務経験を持つ著者が死生観を語ったもの。
医者業界では国立病院>民間大手>民間中小>開業医>福祉系という序列があるそうで、このうち福祉系の医師でかつ高齢の自分にはもう失うものはないと宣言し、偽悪的な語り口で信念を伝えます。


Check-up / Army Medicine


◆目次から
豊富な臨床経験から、「熱や咳は”結果”であり”原因”ではない(ゆえに解熱剤を飲んで力ずくでねじ伏せても何の解決にもならない)」などの見解を語ります。
・解熱剤で熱を下げると、治りは遅れる
・鼻汁や咳を薬で抑えるのは誤り
・食べないから死ぬのではない、死に時が来たから食べないのだ
・死ぬのはがんに限る
・がんで死ぬんじゃないよ、がんの治療で死ぬんだよ
・生き物は繁殖を終えれば死ぬ



◆1 医師として
著者の思想の根っこが語られます。
○私の好きな学説に、「治療の根本は、自然治癒力を助長し、強化することにある」という「治療の四原則」があります。
1、自然治癒の過程を妨げぬこと
2、自然治癒を妨げているものを除くこと
3、自然治癒力が衰えている時は、それを賦活すること
4、自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること


◆2 老人と医療
老人ホーム付き医師として多くの事例を見てきた著者、やがてこのような考えに至ります。
○本来、年寄りは、どこか具合の悪いのが正常なのです。不具合のほとんどは老化がらみですから、医者にかかって薬を飲んだところで、すっかりよくなるわけはありません。昔の年寄りのように、年をとればこんなものと諦めることが必要なのです。


○あまり医療に依存しすぎず、老いには寄り添い、病には連れ添う、これが年寄りの楽に生きる王道だと思います。
年寄りの最後の大事な役割は、できるだけ自然に「死んでみせる」ことです。


○繁殖を終えるまで生かしてもらったのですから、もう充分ではないですか。人生の幕引きを思い通りにでかるかもしれない「がん死」は最高だと思います。


◆3 死を考える
医師としての仕事を通じて死生観を練り上げた著者は、自らの死にこのように向き合います。
○私の事前指示
「医療死」より「自然死」が好みのため、意識不明や正常な判断力が失われた場合、左記を希望する。
・できる限り救急車は呼ばないこと
・脳の実質に損傷ありと予想される場合、開頭手術は辞退すること
・原因のいかんを問わず、一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと
・人工透析はしないこと
・経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、抹消静脈輸液は行わないこと
・不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外して差し支えないこと



◆感想
結婚を期に保険を見直したときに、「昔はみんな死んでたんだから無理に抵抗しない」、「費用対効果の見えないがんの新治療はやらない、保険もかけない」と考えたのを思い出しました。
老人ばかりでなく、自らの生について考え直すきっかけになるかと思います。




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