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千葉智之『出逢いの大学』

普通のサラリーマンを対象に等身大の人脈作りを語ったもの。

出身地の大学卒後に地元就職をした著者は思いがけぬ転勤で知り合い一人いない東京へ。その後わずか3年で3000人のコミュニティを作り上げたそうです。


Renaissance Home Health Party 2010 100 / CgeGo1



◆1 なぜ人脈が必要なのか

人に安心をもたらすものは資格よりも人間関係だ、ということで、そのための下地作りについてあれこれ語られます。

サラリーマンが将来の不安を完全に払拭するためには、2つの能力が必要不可欠。それは専門分野での仕事をする能力である「ワークスキル」と、人とのよりよい関係を作っていく能力、「コミュニケーションスキル」。そして、コミュニケーションの集大成が、よりよい人脈。


とにかく、人に会う機会を作れ!
普通に暮らしていたのでは「初対面」の機会は少ない。これには、れっきとした理由があります。それは、「人間関係は閉じていたほうが気持ちいい」ということです。…でも、これに安住しているだけではいつまでたっても人脈は広がりません。…とにかく人と会わなければなにもはじまらないのです。



◆2 よりよいよい人脈のために

人脈についてもビジネスの基本が適用できます。仕組み化。
逆ミラーの法則
イケてない人を映そうと思えば、イケてない人とつきあえばいい。イケてる人を映そうと思えば、ちょっと無理してでもイケてる人と交流すればいい。「私の持ってない能力や価値観をもった人たちに囲まれて幸せだ。将来について考えるいいお手本になるな」という気持ちになるような状態をめざしましょう。


人と出逢うしくみを作れ!
・定期的に
・かならず
・否が応でも
人と出会うようにする



◆3 その他
その他、著者の普段の心がけが紹介されています。こちらはすぐにマネできて応用範囲も広いように感じます。
気分をプラスにもってくテクニック
実は人間っていうのは、最初は何か嫌なことがあって嫌な気分になりますが、途中からその原因は忘れてしまって、嫌な気分だけが残ってしまう生き物なんです。で、嫌な気分だからよけい嫌な気分になってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
(直し方)
1、なぜ嫌な気分なっているのか考える
2、最大限にひどい例と比べる


初めてのお誘いは100倍の価値がある
そこを勇気を出して誘っているワケなので、「ありがとう!行きます!」って速攻で返事をしてもらったりしちゃうと、誘ったほうとしてはものすごく嬉しいのです。
…なので、とくに「初めてのお誘い」は仕事をなげうってでも行くべきです。



◆感想
内向的な人だと人に会うたび、また飲み会のたびに消耗していくこともあると思いますが、量稽古や仕組み化である程度まではレベルを上げられそうです。


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中村仁一『大往生したけりゃ医療とかかわるな』

老人ホーム付きの医師として12年の勤務経験を持つ著者が死生観を語ったもの。
医者業界では国立病院>民間大手>民間中小>開業医>福祉系という序列があるそうで、このうち福祉系の医師でかつ高齢の自分にはもう失うものはないと宣言し、偽悪的な語り口で信念を伝えます。


Check-up / Army Medicine


◆目次から
豊富な臨床経験から、「熱や咳は”結果”であり”原因”ではない(ゆえに解熱剤を飲んで力ずくでねじ伏せても何の解決にもならない)」などの見解を語ります。
・解熱剤で熱を下げると、治りは遅れる
・鼻汁や咳を薬で抑えるのは誤り
・食べないから死ぬのではない、死に時が来たから食べないのだ
・死ぬのはがんに限る
・がんで死ぬんじゃないよ、がんの治療で死ぬんだよ
・生き物は繁殖を終えれば死ぬ



◆1 医師として
著者の思想の根っこが語られます。
○私の好きな学説に、「治療の根本は、自然治癒力を助長し、強化することにある」という「治療の四原則」があります。
1、自然治癒の過程を妨げぬこと
2、自然治癒を妨げているものを除くこと
3、自然治癒力が衰えている時は、それを賦活すること
4、自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること


◆2 老人と医療
老人ホーム付き医師として多くの事例を見てきた著者、やがてこのような考えに至ります。
○本来、年寄りは、どこか具合の悪いのが正常なのです。不具合のほとんどは老化がらみですから、医者にかかって薬を飲んだところで、すっかりよくなるわけはありません。昔の年寄りのように、年をとればこんなものと諦めることが必要なのです。


○あまり医療に依存しすぎず、老いには寄り添い、病には連れ添う、これが年寄りの楽に生きる王道だと思います。
年寄りの最後の大事な役割は、できるだけ自然に「死んでみせる」ことです。


○繁殖を終えるまで生かしてもらったのですから、もう充分ではないですか。人生の幕引きを思い通りにでかるかもしれない「がん死」は最高だと思います。


◆3 死を考える
医師としての仕事を通じて死生観を練り上げた著者は、自らの死にこのように向き合います。
○私の事前指示
「医療死」より「自然死」が好みのため、意識不明や正常な判断力が失われた場合、左記を希望する。
・できる限り救急車は呼ばないこと
・脳の実質に損傷ありと予想される場合、開頭手術は辞退すること
・原因のいかんを問わず、一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと
・人工透析はしないこと
・経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、抹消静脈輸液は行わないこと
・不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外して差し支えないこと



◆感想
結婚を期に保険を見直したときに、「昔はみんな死んでたんだから無理に抵抗しない」、「費用対効果の見えないがんの新治療はやらない、保険もかけない」と考えたのを思い出しました。
老人ばかりでなく、自らの生について考え直すきっかけになるかと思います。




キンドル版

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安能務『三国演義』第1巻

マンガ『封神演義』の原作者として知られる著者は、香港大学卒のバリバリの古典派です。
他の著作で春秋戦国時代から中華民国まで中国史を総なめにしておられますが、一貫するのが反儒教の姿勢。


DSC_9289 / alexxis


いわく「知的な遊戯空間」と語る三国志の世界で歴史と文学のあいまいさをそのままに語り直しております。

他の小説、随筆にも共通する、伝統中国の役人像がこちら。
一時は天下人となった董卓が失脚する場面。著者はその背景に士大夫たちの一般意志を見ています。

誰が皇帝であっても、朝廷の最高権力者が誰であろうと、それは朝臣たちにとって、有り体に言えば、どうでもよいことである。どれほど横暴であっても、あるいは専断をきわめようと、士大夫たちには、それに対応する伝統的な知恵があった。それゆえ困っても窮することはなかったからまだ赦せる。しかし、自分だけがいい思いをして、稼ぎ場や金儲けの機会を与えてくれない権力者は決して赦せなかった。

…しかも伝統的に、最初からわずかな俸禄を頂戴して、それでつつましく生きようと決意して仕官した者は、おそらく一人もおらず、したがって儲かる場面と機会を与えてくれない権力者は、彼らの存在を無視して生存を脅かす不倶戴天の敵であった。その敵を、いつまでも生かしておくわけにはいかない。





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ハーバート・フロイデンバーガー『燃え尽きない10の方法』

疲れやすくなった、他人と話したくない、何が自分にとっての喜びかわからなくなった、という症状の出る"燃え尽き症候群"について、その原因と対処法を述べたものです。「燃え尽き症候群」の提唱者による81年の著書の新訳。


Hard Work / Mad Wraith


全体的には辻褄の合った仮説という雰囲気。
原著から30年を経たいま、発展著しい生理学・脳科学・心理学などの知識とからめると得るところは多いように思います。

燃え尽きのメカニズムがわかりやすく説かれています。

1.負のスパイラル
簡単にいうと、疲れる→ヒマ→目標に再挑戦→うまくいかない→気晴らしにのめり込む。という現象があるようです。

感情が麻痺した人は、自分で自分を奮い立たせる活力を喪失する。しかし、呆然と暮らすことはなかなか堪え難いことなので、一度は不道徳だと思ったことでも、気を引き立てるのに役立つならやってみようか、ということになる。まず手を付けるのは、初めに彼らの失意を招いた目標に再挑戦することである。


努力しても予期した結果が得られないとしたら、次はなにか。アルコール、麻薬の服用、不倫のセックスへの耽溺、ギャンブル狂い。生きていることを自ら証明するため、老人も若者たちものめり込んでいく。…しかし得られるものはほんとうの充実感ではなくて、刺激の連続である。



2.カンペキ主義

燃え尽き症候群はマジメな人ほどかかりやすいといわれますが、その主な原因はカンペキ主義、燃え上がる理想のために自分自身へ過労を強いることだそう。

他人を批判する態度も親近感を疎外する因子である。人に対して、その人柄以上のものを求めたり、頭脳明晰、まじめさ、高潔など、なんでも「もっと、もっとと高い水準を要求すると、付き合いがうまくいかなくなる。




おつかれ気味の人、立ち直りかけの人にオススメです。

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『あなたがあたえる』ボブ・バーグ、ジョン・デイビッド・マン


【概要】
ストーリー仕立ての自己啓発物語。

イケイケ若手営業マンのジョーは、ふとしたことから大富豪ピンダーと出会い、ピンダーの紹介で月曜日から金曜日までの五日間で成功者たちとランチをともにすることに。ピンダーの仲間である成功者たちの成功の秘密を学び、それに関連したピンダーの課題をこなしていくジョー。さまざまな困難に見舞われ課題の実行も危ぶまれるジョーであったが…。

というザ・自己啓発なお話です。


Presents / Dplanet::


【ポイント】

■1、大富豪の心構え
「そうではない。人生の中で、手に入らないものはたくさんある。しかし…手に入るものもある。――君が望んだものは、手に入るのさ」



■2、私の時間を無駄にするものは…
ジョーはゆっくりうなずいた。
「だいたいわかりました。ぼくに時間を無駄にされたくない、というわけですね。当然のことだと思います」
ピンダーは微笑んだ。
「ジョー、失礼だが、君にその力はない」
ジョーは面食らった。
「つまり、私の時間を無駄にする力だよ。それができるのは、この私だけだ。しかも私は、時間の無駄遣いをとっくの昔にやめている。私が条件をつけたのは、君に時間を無駄にさせたくないからなのさ」



■3、世界をどう見るか
残念ながら、世の中では、一生"生活する"こと以外に目がいかない人が大半だ。そのつぎに多いのが"たくわえる"ことに熱中する人たちをだが正真正銘の成功-つまり、経済面に限らない、人生のあらゆる面での成功-を収める一握りの人たちは、奉仕することにだけ専念する。



■4、ピンダーの教え
第一の法則 人の本当の価値は、相手から受け取る以上に、自分がどれだけあたえられるかによって決まる。
第三の法則 人の実力は、他の人の利益をどれだけ優先させたかによって決まる。
第五の法則 効果的にあたえるためには、受け取ることに対し、常に心を開いていなければならない。


原題は「The Go-Giver」ということで、「いかに与えるか」という視点での構成になっています。


【感想】
とにかく「与えること」にフォーカスしており、自己啓発アレルギーがあると面食らってしまいます。
とはいえ、上記の「法則5」にあるように「与えるために、受け取ることを拒絶しない」という視点もあり、バランスはとれているかと思われます。

全体的には「成功者の語るきれいごと」という感じですが、ピンダーの口を通して語られる世界の見方は一読の価値ありです。





【参考】
神田昌典『非常識な成功法則』



自己啓発の古典ですが、「人格を磨くのは成功した後だ」という主張もあります。
こちらは偽悪的で、むしろ爽やかさ、いっそ潔い雰囲気です。
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